【偉人伝】宇畑知樹[伊奈学園吹奏楽部顧問]

「わざわざありがとうございます。どうぞこちらへ。」

合奏室のある芸術棟4階でにこやかに出迎えてくれた宇畑先生。伊奈学園第1期生であり吹奏楽部初代部長。そして今は教員として、また吹奏楽部顧問として25年目。なんと四半世紀以上を伊奈学園で過ごしていることになる。

「とにかく伊奈学園が好きなんですね~今でも大好きです。僕のいた中学校に渋谷先生(初代校長)が学校説明会にいらしたんです。まだ名称も決まってないその学校の話を聞いて、絶対入る!って思いましたね。だってこんな学校他にないじゃないですか。施設、授業のカリキュラム、自分の好きなことに自由に打ち込める環境が揃ってる。きっと初期のころの卒業生とか芸術系やってる人たちはみんな同じ気持ちで入ってきてると思います」

そして吹奏楽部との出会い。
 「初代部長ということもあり全国大会に行きたい、行く!という決意は固かったですね。オレについてこい、ついてくれば全国行けるから!って」

とにかく練習させれば、たたき込めば上手くなる。そう思っていた部長時代。本当はそんなに自信があるわけでもないのにワンマンぶりをみせつけることが部員を率いるために必要なことだと思っていた。しかし教員になってすぐ、そのやり方には限界が。生徒たちとうまくいかない。ついてこない。宇畑先生は試行錯誤を重ねながら徐々に生徒たちに考えさせるやり方、生徒たちを主体に物事を進めるやり方に変えていく。

「話し合いでもとにかく聞いてる。自分が言いたいのをグッとこらえて(笑)。でもそうするとね、いい結果に転がったりするんですよ。例えば僕は絶対赤、と思ってるんだけどある生徒に緑がいいと言われて『ああ、それもありかもね』と気づけたり」。

これが自分のやり方、と決めつけることなくよりよい方法を模索しながら生徒たちと成長しつづけている宇畑先生。 その柔軟性こそが伊奈学園吹奏楽部の強さなのかもしれない。

Profile

宇畑知樹 うばた ともき

伊奈学園卒業後、武蔵野音楽大学器楽科に入学。トランペットと指揮法を学び平成3年より現職。音楽科主任。埼玉県吹奏楽連盟常任理事。吹奏楽部は現在、全日本吹奏楽コンクール全国大会出場16回。うち金賞受賞12回の記録を誇る。毎年、春と秋に定期演奏会を開催している。

取材年:2015年文章:ー写真:ー